文学フリマに参加して色々反省している話
こんにちは、文学フリマ東京に参加してきた。
自分たちのサークルは友人達との短編小説集と、友人の短歌の冊子を販売した。
サークルとしては3年目なのだが、最高の売り上げを記録した。
これはとても嬉しい事だった。
しかし、同時に課題も見えてきたので忘れないうちに記しておく。
これは他のことに通じているとも思うので覚えておきたいのだ。
まず前提として僕たちのサークルのスタンスは
「みんなで作った作品を多くの人に触れてもらいたい」
と僕は思っている。あくまで趣味であり、赤字もある程度なら仕方ないと考えている。
これを念頭に置いて考えていきたい。
- 魅力ある販売スペースの必要性
これは自分で他のスペースを回っていた時に感じたことだ。
僕は普段から読書量が多いわけではない。よって購入には慎重になっていたと思う。
そうなると購入に至るまでのステップは
興味を持つ→足を止める→見本紙を立ち読みする→購入する
と、なっていた。
僕は毎年参加しているわけではないので他のサークルの情報はほとんど持っていなかった。
つまりこのステップはほとんど知られていない僕たちのサークルで、作品を買ってくれる人にも当てはまりやすいと考える。
このステップのうち見本誌を読むところまでたどりつければ、大体の作品は買っていたし、お客さんも買ってくれた。
しかし興味を持って足を止めるところのハードルが高かった。
自分が見て回っていた際にはちょっと面白そうだな、と思ったくらいでは足を止めることは無かった。
これには個人差があるだろうし、さすがに自分が消極的な方だとは思っている。
しかしながら、興味を持ってもらうことは重要なことには違いない。
興味を持てたブースの特徴を具体的に言うと、
大きな文字、且つ少ない文字数で作品がわかるポップ
があるところは比較的興味が持てた。
もちろんその内容が自分に合わずに通り過ぎたものもある。
しかし、このくらいの情報が伝わらないとスタートラインに立てていないとは思った。
とは言え、もちろん作品内容が分かりにくいブースを批判しているわけではない。
あくまで自分たちのスタンスとしてはこのスタートラインに立ちたいと言う話だ。
こだわっていてかっこいいブースも数多くあった。
では本題に話を戻して、次に自分たちのブースがどうだったかだ。
まずは作品自体だが、タイトルは本の内容を表してはいるものの我々以外には分かりにくく、わかったところで興味に繋がりにくかった。
表紙は友人が撮ってきてくれた風景を加工したものでとても洒落た感じになっていた。ただ見本誌のコーナーがあったのだが、たくさんの本の中にいると余り手に取ろうとは思えなかった。洒落てはいたが目立ってはいなかったのだ。
この表紙は友人が作ってくれたもので僕自身とても気に入っていた。ただ売れやすい表紙では無かったと今では思う。ただ趣味なのでどこまでいい作品を売れやすい作品に寄せるかは難しいところである。そこは来年の課題としたい。
次に販売スペースの話だが作品ごとのキャッチコピーとあらすじをまとめ、ラミネート加工したものを置いていた。
これはとてもじゃないがブースの前を通る時に読みやすいものではなかった。10作品以上のものがあったからだ。
情報量がとてつも無く多かった。あのレベルなら配布物にした方がいいんじゃないかと思った。
そしてブースの前にはもっとわかりやすいポップが必要だと感じた。
自分たちを知らない人たちに興味を持ってもらう努力が足りなかったように思う。
ただ僕自身設営には関わっておらず準備も友人に任せていた。友人には本当に感謝している。
そして今年見て回って得た経験を来年に活かし、より良いものにしたいと思っている。
- 赤字の改善
いくら赤字前提とはいえ限度がある。作品自体は年ごとにページ数も多くなり、カバーなんかもついて、来年は紐もつけたいなどと話してはいるがさらに出費が増えるのは避けたい。
こだわるほどに出費が増えると活動の限界がくるからだ。
より多くの人に触れてもらいたいので部数を増やしたい気持ちはある。しかし1冊にかかるコストは毎年増えている。だからといって弱小サークルで派手な値上げはできない。そんなジレンマに陥っている。
これに関しては中々難しい問題で具体的な改善案もあまり浮かんでいない。
来年までになんとかしたい。
- とっつきにくいほどに分厚い本の改善
毎年、寄稿する人数が増えている我々のサークルの作品は、他の作品と比べてかなり分厚くなってきた。正直書店の文庫本コーナーでも中々見ないレベルだ。
これは改善の必要性があると考える。
僕みたいな人間は様々な本を読んでみたいと思い、他のサークルを見ていた。
そのスタンスで自分たちの作品を客観視すると、知らない人間の書いた作品をこんなに読めないと感じた。
中身は短編集なので一つ一つはそこまで多くないが、お客さんにそれが伝わるようなブースでは無かった。
実際は値段もかなりお手頃なのだがそう言う問題では無かった。
ひとり暮らしの買い物で1/4カットのキャベツを買う感覚に近いと思う。
読み切れないから1個丸々より、少ない方が良いのだ。
これの改善は簡単で来年は分けて2冊にすれば良い。
しかし赤字問題は厳しくなりはする。
他にも友人達に提案したところ、売れなかった方が悲しいと言われた。
みんな思いやりがあるからそんなことを言うが、実際やってみてもそこまで気にする奴はいないと思う。
来年さらにページ数が増えるようならどうにかしたい。今年ですら重いし、開きにくい。
ざっと今回感じたことを書いた。
ブログでは我々のブースの宣伝はしなかったが来年まで続けていたらしようと思う。
その時まで読んでくれている人がもしいたなら、我々がどうなったか是非見にきてもらいたいなと思う。
それではまた。